それから、僕とパパの2人の生活が始まった。

時間は過ぎ、
僕とパパはママがいない生活に慣れていった。

そんなある日
パパは知らない女の人を連れて帰ってきた。

その女の人はそれから良く来るようになった。
僕のこともかわいがってくれた。

それでも僕はその女の人に心を開くことはできなかった。
パパが女の人と生活するようになってから
元気になったのがわかった。

僕はそれだけでよかった。
知らない女の人がママの物を使うのは少し嫌だったけど、
ママとパパの言うことを聞くって
約束したから我慢した。



あるとき、パパは僕に言った
『俺、あの人と結婚しようと思う』

僕は素直にうれしいと思った。
あの女の人はパパを元気にしてくれたから。

僕はもう一度ママに会えるけど、
パパは多分当分会えないから。

そんな気がしたから。

僕は精一杯尻尾を振って
『パパが幸せになるなら、僕はいいよ』
って答えた。

それが悲劇の始まりだった。