でも、外でワイバーンが騒いでいる程度で、学園を休む訳にはいかない。

大体、天空険道と天空宮学園は相当な距離がある。

どんなにワイバーンが騒いでいた所で、学園には何の被害もない筈だ。

「ガルル君は今日は学校お休みだから、この部屋でゆっくりしてていいから…でも私は仕事なのよ」

何とかガルル君を言い聞かせようとするものの、彼は私の腕を放そうとはしない。

むしろ私を逃がすまいと、更に掴む手に力がこもる。

「ガルル君てば…お願いだから放して?」

どうしてこんなに、私を行かせまいとするのか。

私には皆目見当もつかず、困り果てるばかりだ。

「だったら」

ガルル君は私の腕を放す代わりに、真剣な顔で私を見上げた。

「俺もサユミについていく」