砂浜にこんがりと香ばしい香りが漂い始める。

男子が集めた薪木にガルル君が炎のブレスで火をつけ、私と女子で下ごしらえした肉を串に刺して焼き始めたのだ。

「皆飲み物行き渡ったかあ？」

斑鳩君がクラスメイト達をグルリと見回す。

「んじゃ、新しいクラスメイトのガルルと、新担任のサユミちゃんの仲間入りを祝って！」

「「「「かんぱぁあぁぁぁいっ！！」」」」

大勢の声と、缶、ビンが重なりあう音が響いた。

そこから先は飲めや歌えやの大騒ぎ。

焼き上がった肉は次々とクラスメイト達の胃袋へとおさまっていく。

「ジャンジャン焼いて！全然足りないよお！」

ジンジャーエールのビン片手に上機嫌のラビさん。

「次の肉焼き上がったぞお！熱いうちに食え～！」

白虎君がねじり鉢巻をして、火の前で叫ぶ。

その焼きたての肉に群がる男子生徒達。

奪い合うように肉にかじりつく様子を見ながら、私とリリムさんは笑う。

私達だけじゃない。

砂浜のあちこちで、生徒達の楽しげな笑い声が響いた。