「生徒達は私の事、まだまだ友達感覚みたいですから…騎士部の顧問の時でも、みんな私の事『サユミちゃん』って…」

私の事を『先生』と呼んでくれる生徒はまだ少ない。

同級生の女の子と同じ感覚。

初等科の子供達にさえ、時折廊下でスカートめくりされそうになる。

「あら、いいじゃない。友達感覚なのは生徒達に親しまれている証拠よ?」

クスクスと笑うクラリエ先生。

「それはそうなんでしょうけど…」

私は視線を落とす。

私はもっと、教師としての威厳をもって生徒達に接したいのだ。

生徒達にもある程度の礼儀と尊敬の念をもって、私に接して欲しい。

そう思うのは、私の思い上がりなのかしら。

「そうねぇ…」

クラリエ先生は頬に手を当てた。

知的な雰囲気の彼女がそんな仕草を見せると、それだけでどこかセクシーに見える。

「人気者なのはいい事よ。そこに礼儀と尊敬がついてくるかは、貴女の技量次第ね、サユミ先生」