噛み付かれているのとは逆の手で、ガルル君の頭をポンと叩く。

「だから、ガルル君も無闇に他の人達に暴力を振るわないで。もし怖くなったら、私の所に来て。いつでも私が守ってあげるから…ね?」

「……」

返事はしない。

頷きはしない。

その代わりガルル君は、そっと噛み付いていた私の手を放した…。