クラリエ・スピーキス先生。

天空宮学園高等部召喚科の教師で、その召喚術の腕前は学内でも1、2を争うという優秀な召喚士だ。

金砂の如く輝く金髪に眼鏡がトレードマークの彼女は、とても理知的に見える。

「どうですか?今日から2-Fの臨時の担任を任されているみたいですけど」

微かに笑みを湛え、語りかけてくるクラリエ先生。

「うーん…」

私はギシリと椅子の背もたれを鳴らしながら、苦笑いを見せた。

この天空宮学園の大学部教育学科を卒業してまだ一年足らず。

私はあっという間に教えられる側から教える側へと立場を変えた。

大学では成績も上から五つも数えないうちに自分の名前が見つけられたし、卒業も首席だった。

しかし、机上の成績と実際の現場での仕事ぶりが必ずしも比例するとは限らないようだ。