話は二時間前に遡る。

天空宮学園職員室。

「おはようございまぁす」

私は挨拶と共に自分の席に鞄を置いた。

朝6時。

生徒達の登校時間は8時半だけれど、教師は授業以外にもやる事が多い。

その為、生徒達よりも二時間は早く来ている。

自分の席に座り、本日の授業内容の確認や先日の小テストの採点などをしていると。

「サユミ先生」

背後から声をかけられる。

「はい?」

小テストに走らせる赤のボールペンを持つ手を止めて振り向くと、そこにはクラリエ先生が立っていた。