ガルル君の論理でいくと、彼は担任であり教師である私には従わないという事になる。

従わせたければ力ずくで。

それがガルル君の中のルールであり掟。

千獣の樹海で生きてきた彼にとっては、それがごく自然なやり方であり、年長者の意見を聞き入れるとか、教師には敬意を払うとかいう社会のルールやヒエラルギーは存在しないのだ。

私は困惑して学園長の顔を見る。

こんな事では、とてもガルル君を2-Fで預かる事はできない。

私の言う事を聞いてくれない生徒が相手では、どうしていいものか…。

学園長も、私がうろたえているのを見るに見かねたらしい。

「よし、じゃあこうしよう」

彼はガルル君に対して提案した。