ガルル君は私の顔と学園長の顔を交互に見比べる。

「アルベルト、お前強い。俺、アルベルトに負けた。悔しいけど約束、アルベルトの言う事聞く。でも!」

彼は私をキッと睨む。

「俺、コイツに負けてない!コイツ俺より弱い!俺、コイツの言う事聞かない!」

どうやらガルル君の発想は単純明快、まさしく動物の考え方のようだった。

自分より強い者は偉い、だから命令には従う。

しかし自分より弱い者の命令には従わない。

弱肉強食の論理をそのまま当てはめれば、彼の物の考え方は簡単に理解できた。

でも、仕方ないじゃない…。

学園長に手傷を負わせるほどの力を持つガルル君に、私みたいな新米教師が敵う訳がないじゃないの…。