その『魔獣』の姿で、ガルル君は更にニーズヘッグの顎を押し広げる!

完全に顎の可動域の限界を超えている。

それでも尚、無理矢理に顎を開かせた結果。

ガコンッ!!

鈍い音と共に、ニーズヘッグの口がだらしなく開きっ放しになった。

ガルル君の剛力によって、ニーズヘッグの顎関節が外されてしまったのだ。

これではもう、ニーズヘッグは自力で口を閉じる事さえできない。

ガルル君は悠々とニーズヘッグの噛み付きから脱出し、私のそばに身軽に四つん這いで着地した。

…大きい。

身の丈3メートルはある四足歩行の魔獣。

それが今のガルル君の姿だった。

しかし。

「驚かせたか?」

その口調、そして気遣いは、私達の知っているガルル君と何ら変わっていない。

「この姿にならないと、俺、本当の本気出せない。人間の姿、窮屈だから。でもこれなら、ニーズヘッグやっつけられる」