そんな極限まで追い詰められているガルル君に対して、ニーズヘッグはどこまで残忍なのか。

既に満身創痍、顎を支えて防御姿勢すら取れない彼に、炎のブレスを吐きかける!

「うがあぁあぁあぁっ!」

天空険道に谺するガルル君の絶叫。

そのあまりに残虐で惨たらしい光景に、私もラビさんも顔を背ける。

「う…ぐ…!」

やがて苦痛に耐えながら、ガルル君が何事か呟いた。

「…もう…駄目…」

それは初めて聞く、ガルル君の弱気な言葉。

あの負けん気の強いガルル君が、限界を訴えていた。

しかし、私もラビさんもそれを責める事なんてできない。

こんな拷問じみた攻めを受けるガルル君に対して、どうしてなじる言葉を浴びせる事ができるだろう。

…もう楽にしてあげたい。

そう思っていた私は、直後、意外な言葉を聞く事になる。

「仕方ない…俺…本気出す…」