高々と空中に打ち上げられるガルル君。

その体が宙にあるうちに。

「うがっ!?」

ニーズヘッグはガルル君の体に噛みつこうとする!

強靭な上顎と下顎が、ガルル君の体に食い付き、噛み千切り、磨り潰そうとする。

ガルル君は咄嗟に上顎を両手で、下顎を両足で受け止めて踏ん張った。

上下から荷重をかけられ、それを歯を食い縛って耐える。

まるで拷問を受ける罪人のような姿。

既にダメージを受けた体は、与えられる荷重にガクガクと震え、全身が汗でびっしょりと濡れる。

ニーズヘッグがあと僅かでも顎に力を加えれば、簡単に噛み砕かれるのではないかという状態だった。