「そこでだ」

学園長先生の声に熱がこもる。

「サユミ先生。確か今日から高等部普通科2-Fの臨時担任を務めるんだったね」

嫌な予感がする…。

その予感はいとも簡単に。

「このガルルを、転校生として2-Fに預けたい」

現実のものとなった。

「が、学園長先生!?」

私は思わず声を裏返らせる。

手練の学園長先生にも手傷を負わせるような少年を、まだ新米教師の私が預かる!?

「ああ。2-Fには、内向的で悪魔である事をコンプレックスにしていたリリム・リリアを受け入れたという実績がある。きっとガルルも、うまくクラスに馴染めると思うんだ」

「で…でも…」

私はもう一度その少年…ガルル君を見た。

「彼…種族は?見た目人間のようですけど…魔物と共存していたという事は、獣人の類ですか?」