私が動くとほぼ同時に、ガルグイユは水流を吐く!

凍てついた湖面の氷を砕くほどの威力の水流。

私は周囲に飛び散る氷片をものともせず、ガルグイユへと接近する。

近づかれる前に仕留めようと、ガルグイユが水流を連続して吐いた。

次々と着弾する水の弾丸。

しかしそのどれもが、私に直撃する事なく氷を飛び散らせる。

勿論ガルグイユの水流の精度が落ちた訳ではない。

私がことごとく回避しているのだ。

その為の、上半身のみの重装備。

機動力の要たる脚が自由に動きさえすれば、私はこの程度の動き、難なくこなして見せる。

時折直撃コースで放たれる水流も。

「せぇぇえぇえいっ!」

大振りの大剣によって弾道を逸らし、直撃を避ける。

両手に伝わる痺れ。

重い水流だ。

こんな一撃を、ガルル君はまともに受けてしまったのか。

よくも…よくも私の生徒に!

ふつふつと怒りが湧き上がる。

回避と防御を繰り返しながら、ガルグイユとの距離が縮まる。

「その首、頂きます!」

間合いに入り込んだ私は、大剣を閃かせて斬撃を見舞う!