慌ててガルル君の元に駆け寄り、彼の体を抱き起こす。

ボロボロになった天空宮学園の制服。

そしてその下の肌は、水流を受けた事で内出血を起こして紫色に変色している。

肋骨も何本か折れているようだった。

だけど、言い換えればそれだけ。

グリフォンの胴体をあっさりと貫通させて絶命させるほどの威力を持つガルグイユの高圧水流を至近距離から受け、この程度の負傷で済んだ事に、私は驚きを禁じ得なかった。

だって、ガルル君は制服を着ているだけなのだ。

私のように鎧を装備している訳でもなく、防具らしい防具を身につけている訳でもない。

いわば生身に限りなく近い状態。

そんな状態であの水流を受けてこの程度の傷なんて…。

ますますガルル君の肉体の頑丈さに驚愕する。

彼のこの魔物並の肉体の頑強さの秘密は、一体何なのだろう?