私の指示に、ガルル君はハッとする。

私の意図する事に気付いたらしい。

勘のいい子だ。

「任せろ!」

ガルル君は大きく息を吸い込み、湖面はおろか岩盤の表面にまで霜柱を作るような超低温の氷のブレスを吐き出した!

その威力は絶大。

湖の表面に、50センチはあろうかという分厚い氷が張る。

これで湖面に『足場』ができた。

ガルグイユに接近し、攻撃を加える事が可能になったのだ。

「よし!」

今までの鬱憤を晴らすべく、ガルル君が凍りついた湖面を一気に突進する!

そしてガルグイユの頭部に強烈な拳!

更に空中で身を翻し、両足でガルグイユの顎を蹴り上げる!

リントヴルムをも怯ませたガルル君の攻撃だ。

ノーダメージという事はないだろう。

だけどガルグイユはそのガルル君の攻撃を受けて尚、高圧水流を吐き出す!

至近距離。

ガルル君は回避する術もなく、水流の直撃を受けて吹き飛ばされた!

「ガルル君!」

思わず私は声に出して叫ぶ。

凍りついた湖面に叩きつけられた彼は、体こそ貫通されなかったものの、水流によってかなりのダメージを受けたようだった。