ともかく、ラビさんをさらったというその竜種を探さなくてはいけない。

再び私達はグリフォンに跨る。

カルデラ湖を低空飛行で飛ぶグリフォン。

この湖を越えて、天空険道の更に標高の高い場所へと向かう。

高地に行けば行くほど、強力な竜種が生息している筈だ。

私もガルル君も、神経を尖らせながら周囲を警戒する。

…もうすぐカルデラ湖を越える。

そんな時だった。

「きゃあっ!」

突然湖面からの強烈な水流!

それはまるで間欠泉のような勢いだった。

狙い済ましたような高圧の噴射は、飛行中だったグリフォンの腹部を簡単に貫通!

グリフォンは断末魔の悲鳴を上げて、カルデラ湖の岸辺に叩きつけられた!

同時に投げ出されるように、地面へと落ちる私達。

…見事に獲物を撃ち落とした事で、水中に潜んでいた『水流を噴射した犯人』が、ゆっくりと鎌首をもたげる。

その姿に、ガルル君が呟いた。

「ガルグイユ…!」