ガルル君はそのグリフォンに、躊躇う事なく跨った。

特に暴れる事もなく、グリフォンは従順にガルル君に従っている。

こんな上位魔獣を従えるなんて、本当にガルル君は何者なのかしら。

魔物の縄張りを支配する『主』でもなければ、こんな事はとても出来ない筈だけど…。

「さぁ乗れ、サユミ!こいつで天空険道まで行く!リントヴルム追いかける!」

「…わかったわ!」

こんな所で足踏みなんてしていられない。

私は颯爽とグリフォンの背に跨る。

「よし、行く!」

ガルル君が魔物の背をパンッと叩く。

その合図で、私達を乗せたグリフォンは、天空宮学園がミニチュアみたいに見えるような上空にまで一気に上昇した。