更衣室で手早く愛用の甲冑に着替える。

上半身は重装備ながら、下半身はあくまで軽装の鎧。

これは、私が立ち止まっての斬り合いをするタイプの騎士ではない為だ。

常に動き回って素早い体捌きで敵を撹乱しつつ、必殺の一撃を見舞う。

それが私の戦闘スタイル。

武器もチマチマと手数で勝負するタイプのものではなく、一撃必殺を狙った大剣。

重量で断つ剣のように見えるが、実は竜の頭角や鱗をも斬るほどの鋭利な刃を備えている。

結構な業物なのだ。

「お待たせガルル君、行きましょうか」

準備を済ませ、物々しいまでの装備を身につけた私は、ガルル君の元へと戻る。

「わかった」

ガルル君はコクリと頷いた後、天を見上げて雄叫びを上げた!

竜種のような萎縮を誘うものではなく、仲間に呼びかけるような遠吠え。

その声に呼び寄せられるように。

「!?」

頭は鷹、下半身はライオン、背中に大きな猛禽類の翼を持つ魔獣が飛来した。

グリフォン。

これはこれで竜種に匹敵するほどの上位の魔物だ。

「千獣の樹海から呼び寄せた。俺の仲間!」