思わず見ている私にも力がこもる。

いけるわ、ガルル君!

そんな声援を送ろうとした矢先、リントヴルムは両の翼をはためかせ、空中へと舞い上がった。

投げ飛ばすつもりが、逆に引き摺られる形になるガルル君。

リントヴルムはまだ尾を掴んだままのガルル君を疎ましく思ったのだろう。

その尾を大きく振って、ガルル君の体を手近な建物の壁に叩きつけた!

「がはっ!」

壁にめり込む彼の体。

そのまま彼は、崩れれ落ちる建物の下敷きになってしまう。

「ガルル君!」

へたり込んだまま戦いを見つめていたラビさん、そして私も、ガルル君の方に駆け寄ろうとして、直後。

「キャアアッ!」

急降下してきたリントヴルムが、鋭い爪のついた前足でラビさんの体を捕まえ、再び上空へと上昇した!