瞳子が気味悪そうに顔を
しかめて『何よ?』って
聞いてきた。


「うちは、貢にぃが
手作りのを持ってきて
くれるんだ。

貢にぃが専門学校入った
年から、毎年そーなの♪」


たしか最初の年に、うちの
ママがおばちゃんに、

『みっくんの焼いた
ケーキ、食べてみたいわぁ』

って半分ジョーダンで
言ったのがきっかけで。


そしたらそれを聞いた
貢にぃが、ホントに
イヴイヴにケーキ持って
来てくれたんだよね。


それがかなーり
おいしかったもんだから、
藤原家全員大喜びしたら。


翌年もあえて頼んでは
ないのに、貢にぃが進んで
持ってきてくれて――
んで、それが定着したんだ。