「それじゃ、今年うちに――、」


『うちに持ってきてくれる
のはどんなの?』


そう、イチバン聞きた
かったことをようやく
切り出そうとしたのに。



――まるでタイミングを
はかったかのように、
携帯の着信音があたしの
セリフを遮る。


「あ――悪いな」


鳴ったのは貢にぃの。


貢にぃは短く断って、
机の上の携帯をとっちゃった。



――うぬぬ〜っ、ちょうど
今からが本題なのにぃ。


とんだおジャマ虫コール!


仕事の電話かな?





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