君と出会ったのは桜の季節だった。

青い空にピンクの桜がとてもキレイでがらにもなく感動したことを覚えている。

いつものように悪友の新田海斗(にったかいと)と屋上でサボっていた。

「あぁ~たり~!もぅ帰らねぇ?」

頭をかきながら海斗が聞いてきた。

「ダメだろ!あの糞ハゲが顔みせろっ!つってっし・・・」

タバコをもてあそびながら答える俺。

ぶーぶーいいながらじゃれて来る海斗。

「あっ!入学式終わったみたいじゃね?」

海斗の言葉を聞いて下を覗き込む。

体育館から生徒や新入生、その家族があふれ出てきた。

「んじゃ、行きますか?」

先に行く海斗に駆け足で追いつき肩を並べて下りる。