~翌日~

「楓ー!急げ!行くぞー」

「今いくー!!!」

毎朝海兄に呼ばれる。

海兄行くの早すぎ!

てか何でこんな朝早くから幼稚園行かなきゃいけないんだよ!

靴を履いて海兄の手を握る。

「楓!」

家から少し歩いた所で家から声がした。

振り返ると空兄が帽子を持っていた。

「帽子忘れてる!」

僕は走って玄関に向かう。

「忘れ物注意」

空兄は苦笑いしながら僕に帽子を被せる。

「よし、いってらっしゃい」

空兄はニッコリ微笑んで言ってくれた。

「いってきます!」

僕は元気いっぱいの声で海兄の元に戻って行った。

戻ると海兄はまた携帯を弄っていた。

「誰とメールしてるの?」

「ん?ああ、女だよ。前家に来てただろ?」

「あの人僕嫌い」

1ヶ月毎に違う女の人を海兄が連れてくる。

今月の女の人は僕が挨拶したのに挨拶しないし。

海兄に用があって部屋に行ったら

「餓鬼はくんな」

とか言ってきたし。

何で海兄はそんな人連れてくるんだろう…。

先月の人は綺麗で優しかったなぁ……。

この文でわかるとおり、海兄は良く女の人を連れてくる。

所謂タラシってやつだ。

空兄は少し女っぽいところがある。

まあこんなことを思っていると幼稚園についた。

「んじゃ、今日は迎え俺だから。おとなしく待ってろよ」

「わかった バイバイ」

「ん」

海兄は高校生で高校に行く途中幼稚園があるため僕はついていく。

幼稚園の中に入ると先生達が待っていた。

「海君今日も格好良いわ…」

これは毎度のこと。

女の先生達は海兄にメロメロのようだ。

「先生おはようございます」

「楓君おはようー!」

桜ちゃんはまだ来てないようだった。