いつも一緒だった






小さい頃から、ずっと一緒だったのに





「聖矢君……」


沖重孤拍は一人、屋上に来ていた。

空は雲一つない青空だった。孤拍は誰もいない屋上に、一人座っていた。

「どうして、聖矢君は孤拍に冷たくするんだろう…死神ちゃんばっかり優しくして……」



孤拍だって………

聖矢君のこと、好きなのに……

目に涙が溜まる…
孤拍はゴロンと寝転ぶと真っ青な空に手をのばす。

「うー……目から塩水が〜…目にしみる〜…」

空を見ていると、キィとドアの開く音がした。

「……うぉっ!人いた。」

「むぅ?誰?」

孤拍はゆっくり起き上がる。両手を上げ、背伸びをする。

「んー……っと。えー…君。」

孤拍は指をさす。

「…俺?」

「うん。誰ですか?」

「俺は、黒江優斗。お前、聖矢の幼なじみの沖重孤拍だろ?」

「あったりぃ。よく分かったねぇ。」

ニコニコと優斗に笑ってみせた。

「孤拍って、聖矢のこと好きなの?」

「え?」



『好きなの?』って……



「……………好きだよ…」

「やっぱり?」

「や、やっぱりって…知ってた…の?」

「直感」

「? ちょっかん?」

「お前の行動見ていてよーく分かる。」

「うぅ……」

肩をしずめる孤拍。

やっぱり……分かりやすいのかなあ?



キーン コーン カーン コーン

休みを終える鐘が鳴った。

「やっべ。鐘鳴ったし!じゃあな、孤拍!」

優斗は走って階段へ向かった。

キィィ   バタン

扉が閉まる音。

「黒江優斗…優しいな」

自然と笑顔がこぼれる。

「さーてと!孤拍も行かなきゃなー」