『んん~っ…』




「雨宮、ため息ばっかりうるさい」



『でもさっナツメちゃん!しょーがなくね!?俺、もーほんと泣きそうなんだけど…』





突然、いや あの日から
奏は学校に来なくなっていた。



『俺があんなでっかい声で好きって言っちゃったからかな…
奏、恥ずかしがり屋だしなぁ…』



―プツンっ



「~~っ…うるっさい!もう!そんなウジウジ考える暇あんなら奏の家いけばいいだろ!うっぜえなあ!」



『う…うおお、"鬼のナツメ"恐るべしっ』



「昔の呼び名だしてきてんじゃねーよっ!」



『いや、よしっありがとなナツメちゃん!俺、行ってくるわ』



「ふーっ、それでいいのよ雨宮は。突っ走ってる方があんたらしいんだから、ね?」




『ありがとな!じゃ、また明日!』




にこにこと笑いながら駆けていく鳴偉を見つめながら
ナツメは笑みを絶やし、小声で呟いた。




「ごめんね、雨宮…」