キィ…



奏を抱き上げたまま屋上の扉を開く。



そこには雲ひとつない青空が晴れ渡っていた。



『ん~っ、いいメシ日和だっ』



奏を下ろし、屋上の床に寝転がって鳴偉が言った。




「あ~恥ずかしかった//」



『もう、奏は恥ずかしがり屋だなあ』



「るうのせいでしょっ!全くもう…」



まだブツブツと文句を言っている奏を見上げて 鳴偉は顔を綻ばせた。






『奏ー、』



「ん~?」



いつものように
奏お手製の弁当を食べ終え 奏が片付けをしている時だった。





『奏、知ってた?うちの高校のジンクス』



「ジンクス?そんなのあったの?」



ここは流石おんなのこ、目をキラキラ輝かせて鳴偉の顔を覗きこんだ。



『うん、俺もこの前しったんだけどな、屋上に願い事を書いたら叶うんだって!』



「へ~、全然しらなかった!」



『だからさ、奏。なんか書こうぜ!』



「でも…ばれたらやばくない?」



『大丈夫だって♪先生たちも書いてるし!』



「え?先生も書いてるの!?」



『だってホラ、ここ』



"卒業式で噛みませんように"



『…だって!(笑)』


「あははっあの先生でもこんな可愛い悩みあったんだ~!」



『だからさ、早く書こうぜ♪』



「じゃあ、絶対みないでね?」


『了解っ
じゃあ俺はこっちに書くから、お前はそっちな!』



「は~い♪」