「…まみや……雨宮?」




『…ん、』




ナツメちゃんがいつも通り話かけてくれてるのに
子供な俺は 普通に接することができなかった。





「…雨宮、やっぱり…昨日あそこにいたんでしょ?」



『…っ…ナツメちゃんっ!奏は…奏がどうしたんだよ!?なんか知ってんだろ!?教えろよ…っ』



「…っ駄目、駄目よ…」



再び泣きそうな顔をして、
肩を荒く掴む俺の手を放そうとする。




『なんで!なんでだよ…!?』




「…っ駄目よ!あたしは言えない…っ」





ガラッ





『ちょっ、雨宮!なにしてる!女子だぞ!?曲川を放しなさい!』




『先生!先生も知ってんだろ!?奏はどうしたんだよ!?なんかあったんだろ?なあ先生…っ』




『…曲川、先生は言ってもいいのかな…』




「先生…でもあの子が…」




泣きじゃくりながらナツメちゃんが"奏"を口にする。




『でもな、曲川…先生として、俺はこんな風になってる雨宮を放ってはおけないよ』




「あたしも…奏と雨宮は一緒にいてほしいよ…っ"」




『…雨宮、来なさい』