ポチャン、と小さな音がした。

目の前にはニヤニヤ笑うツヨシ。

俺は……

「このヤロウ!」

生まれて初めて、人を殴った。


「こいつ、殴ったぞ!!」

「ツヨシ大丈夫か!?」

ノブを羽交い締めにしたまま口々に叫ぶ根性無し達。

当人のツヨシは殴られるとは思っていなかったのか、そのまま橋の上に転がる。

転がったツヨシは口の端に血を滲ませながら、俺を呆然と見ていた。


だけどツヨシや根性無し達にかまっている余裕はない。

俺はツヨシに馬乗りになってTシャツの胸倉を思いきり掴んでやった。