嫌な予感がして後ろを振り返ると、必死の形相でツヨシに手をのばすノブ。

そんなノブを羽交い締めにする根性無し達。

そして……橋の柵にもたれたツヨシの手に握られているノブの綺麗なお守り。

最低最悪な、そんな光景が目に映った。


「おい! なにしてんだよ!」

やばい。
あれはノブの宝物なんだ。

嫌な事を想像してそう叫びながら、橋の柵にもたれ掛かるツヨシに近付く。

だけど……それが逆効果だったのかもしれない。


「うるせえな。こんなもんどうでもいいだろ」

ツヨシはニヤッと笑うと、俺を見たまま後ろ手にノブのお守りを川へと放り投げた。