メイドが立ち去ったあと、あたしはベッドに座り込みたくさん泣いた。


でも涙は、あたしの心をすぐに冷たくした。




ブーッブーッ……。


静けさが残る部屋の中で、ケータイのバイブが響き渡る。




「グスッ……はい」


あたしは涙を拭って電話に出た。




「もしもし、俺だけど……」


電話の相手はすぐにわかった。




「……なんですか」


「あのさ、大丈夫か?」


「……なにがですか」


「声がかすれてる」


「いえ、大丈夫です」


「……もしかして、なんかあった?」