家に急いで戻って私は
翔くんが
残して行った
ノートを引きだしから
出して
深呼吸をした。



それから現像してくれた
写真を封筒から出して
一枚一枚じっくり見ながら
床に広げた。


キスの後 翔くんが消えて行った
朝日に
染まったオレンジ色の空


仲間の写真


翔くんのバイクとリュック



深い緑に染まる山々


小さいけど過酷な自然に耐えて
咲く小さなカワイイ花たち


真っ青な空と
真っ白な雲


仲間が輪になって
ピースしてる



満天の星



それからテントの中


そして私は思わず声をあげた。



アップの翔くんが
目を閉じて 唇を突き出してる



「バカね~」



それから左手の小指の爪に
ひかかった指輪



指輪にキスしてる翔くん



「もう……また泣かす気ね…」



私の目は潤んで霞んでいる。