泣かずに言えたのは
奇跡だった。


祭壇に飾られた
翔くんが
そこにいる気がして

先生の翔くんに語りかけた。




挨拶が終わると
すすり泣きが聞こえて
悲しみの涙に
参列者がくれていた。



でも私は もう一度
まっすぐ
翔くんの遺影を見つめた。



大好きだよ
ずっとずっと大好きだよ……



そう心でつぶやく



一筋の涙が

私の目から流れ落ちた……



遺族に挨拶をした。


翔くんの両親がとても
おだやかに微笑んでくれた。



そして翔くんのママが
私の前に進んできて
優しく頭を撫ぜてくれた。



「ありがとう・・・・。
あの子 ちゃんと先生してたのね。
大役 ご苦労様でした。」


そう言って
私を優しく抱きしめてくれた。