生地の下には

あの日キャンプで見た
寝顔があった。


額には包帯があったけど
その顔はあの日と同じ



「翔くん?
寝てるんだよね?」



思わず聞いてしまった。



そしてその高く通った
鼻筋を触った時
現実が飛び込んできた。


「冷たい……」


頬に触れる


「かたい・・・・」


「翔くん?」


胸の上で組まれた手に触れる。



涙が滝のように落ちる・・・


「う…う…
どうして…どうして…嘘よね?
コテージ行こうって……
キャンセル誰するの?」



「う…う…」

かたく組まれた指に
顔をうずめた。



「翔・・・翔・・・
やだよ~~ぉ~~
どうして…なんで…」



冷たい指はもう
優しく髪を撫ぜてはくれない……。