『ピーーーもうさぁ…もうちょっと
長きゃいいのにさ…
生徒だってことでパニくるのは
会うまでにしといてよ。
会ったらすぐに好きになるよ。
ほんとに素敵な子だよ。
俺にもったいないんだけど……
クク…絶対幸せにするから
安心して出迎えてや。んじゃ…週末
山登ってくんね~ピーーーー』


ものすごい早口だった。


翔くんのおかあさんが
泣き笑いしてる。


「翔登の電話でホントに
パニックだったんですよ。
まさか生徒さんに…なんて
親御さんに謝ったらいいのかって…
でも…ほんとに
きれいなお嬢さんで
できれば…う…っ…」


おかあさんの声が
嗚咽に変わった。


「できれば…笑顔の未来ちゃんに
会いたかった…
そしててれまくってる
翔登に会いたかった……」



おかあさんの泣き声は
まるで地を這うように
苦しみと悲しみに満ちている。


「大切な私たちの
息子の一人でした……。
元気で明るくて前向きで……
悲しいそうな人がいると
なんとかしてやりたい…そうって
考える子でした……。
なのに一番大切な女の子に
こんな悲しい思いをさせて……
本当にごめんなさい……。
早く立ち直って
未来ちゃんの人生を
翔登なしの人生を楽しんで
くれることが
私たち親からの願いです……」



「おかあさん…
私たちだって先生が大好きでした。
もし結婚させてくれって言われたら
よろしくお願いします
って決めてたんですよ……」


ママの声



 翔くん みんな結婚OKだったみたい……