翔くんの家は車で一時間くらいの
ところで大きな庭のある家だった。


門を入って行くと車が
たくさん停まっていて
玄関から涙を拭きながら
出てくる人とすれ違う。



「大丈夫?
ママたちはお参りさせてもらったら
どこかで時間を潰しているから
肇頼むわね。」


「うん。大丈夫だよ。」


はぁくんが言った。


大きな玄関のインターフォンを
鳴らすと

「はい」と声がした。


「中野と申します。」


しばらくして
玄関のドアが開いた。


昨日家に来た
仲間の人が出てきて


「待ってたよ」


そう言って微笑んだ。


私ははぁくんに支えられながら
広いエントランスを
抜けて

リビングに案内された。


「おばさん 中野未来ちゃん」


仲間の人の声に
和室からちょっと小太りの
おばさんが走ってきた。