その歌声は
私の心にスーッと入りこんだ。


今 流行りの曲


それも女子の歌を
男子の声で 歌いあげている。




  めっちゃ…いい……


透明感とのびやかな声



ついつい聞き惚れていると
いつしか
音楽が終わって


ドアが開いた。




「おまえ・・・遅い!!」


宏也が顔を出した。



「あ…ついつい聞き惚れてて」



「だって…おまえのために
歌ったんだもん」




茶色く光った髪の毛が
窓からの西日でより赤く光っていた。



宏也は私の手を
思いっきりひっぱって
音楽室に引きずり込んだ。