この土地へ来て、もうすぐ一年も経つというのに。美容室へ行ったのは二回ほど。

あとは、伸びて気になったところだけ隼太に切ってもらっていた。

そんなあたしの髪を見兼ねたのかな?

それとも、まだ隼太のことを好きだとしたら……あたし坊主にされたりして?


「店では出来ないけど、家でなら切ってやってもいいよ」


そんなナナの横顔を見ていたら、坊主にされることはないかな……。

って、なんとなくそう思えた。


「じゃあ今度、お願いしよっかな?」


あたしの言葉を訊いたナナが「ふん」って、小さく笑った。