ツンと横に顔を向けていたナナ。

あたしの反応に、「どうも」ってぶっきらぼうに返してきた。

すぐにナナだと気づかなかったのは、トレードマークだった金髪が黒髪になったから。

それに、洋服の趣味も随分と変わったかも……。

先月、美容学校を卒業したナナは、隣町にある美容室で働き始めたばかりだという。


「ナナちゃんに切ってもらったの」


髪に手を触れながら、うれしそうにりっちゃんが微笑んだ。