「あたし、顔赤くなったの見られなかったよね? 暗闇だったし…」 そんなどうでもいいことを、独り言のようにつぶやいていた。 高校に入って、初めて加藤くんと喋った。 喋った?とは少し違うけど(笑) いつも窓からの加藤くんしか知らないあたしは、変にふわふわした気持ちになった。 別に加藤くんが好きとかではない。 でもなんだか嬉しくて、あたしは駅までの道を軽い足取りで歩いた。 .