あたしはバターロールを口に入れて、1人テクテクと歩いていた。


…先輩も学校きてるよね…


どうしよう…


めちゃくちゃ顔合わしにくい…


1人でいると、嫌なことばっかり考えてしまう。


誰かと一緒に行く約束してたらよかった…


はぁっとため息をつき、顔をあげると、前のほうに司が見えた。


お、ナイスなとこに司発見!!


「つーかさっ」


司に近づき、耳元でそう言うと、ビクッと肩を揺らした。


「んだよ、恵瑠か…びびらせんなっつの」


「ごめんごめん。びびらせるつもりはなかったのよ」


ひらひらと手を振ると、呆れ顔をする司。


だけどすぐに真剣な顔になって、あたしを見つめる。


「…なぁ…恵瑠」


「…なに?」


いつになく真剣な司を不思議に思ったけど、平然を装って言った。


「…彼氏」


「え?」


彼氏?


「…うまくいってんのか」


…ドキッとした。


でもこんなとこでうまくいってないと言うわけにもいかない。


「…も、もちろんじゃん!!」