「…ま、司も、もっと頑張らないとな…」


「いや、だから何を」


さっきからあたしには理解ができないのですが。


あたしがバカなだけなのか、それか春くんが理解不能なこと言ってるだけなのか。


「じゃ、そろそろ帰ろっか」


春くんはそう言って立ち上がると、黒を基調にしたオシャレなリュックを持った。


ついでにあたしのカラフルなリュックも。(リュックは持ちやすくて大人気なんだよ!)


「あーうん」


あたしは少し笑いながらゆっくりと窓を閉めた。


「ん」


春くんがリュックを差し出してくれる。


「…ありがとう」


それをあたしは、またゆっくりと受け取った。


その様子を見て、春くんは首を傾げた。


「恵瑠ちゃん?」


その言葉に、ハッと我にかえったあたしは、リュックを背負ってとびきりの作り笑顔を見せた。


「なーんでもないよん!!じゃね、春くん!!また明日っ」