…そして放課後、みんなが教室から出て行く中、あたしはまだ窓からグラウンドを眺めていた。
…先輩、どう思ってるかな。
考えるのはこんなことばかり。
あたしは自分が思っていた以上に、先輩に嫌われたくないみたいだ。
…もしあたしを待っていたらどうしよう。
嬉しいけど、気まずすぎるよ…
…あたしは教室から出ることができない。
嫌われたくないと思いながらも、避けているのはあたしのほうだ…
ふぅっとため息をつくと、誰かが近くのイスに腰をかけた。
「どうしたの、恵瑠ちゃん」
「春くん…」
春くんはいつも通り爽やかな笑顔であたしを見た。
あたしもつられて笑顔を作ったが、どうも引きつっているような気がした。