もしも、ココから飛び降りる。
なんて、事をしたら確実に死ぬんだろうな。


落下して行く速度は、どれぐらいなんだろ。とか、地面にぶつかる瞬間は、何を思って痛みを感じるんだろう。だとか想像しか出来ない事を実際に、体験してしまえば私は、もうこの世にはいないから答えは、魂だけが知る事になるのかな。

魂は、どこをさまようのだろう。
それは、私であって、私ではないのかな。
じゃあ、誰なの?

迷路の様な自問自答をしながら私は、目を閉じて顔を空に向けると

「さよなら…」


小さく、口を動かす。

柵を掴む手に力を入れる。

答えのでない疑問は、自分の人生を終わりにしてしまえば何も聞く事も、結果を求める事もなくなって楽になれるのかな?



目を閉じたまま、生温い空気の中に立ち続けている私に


「そんな、“ごっこ”面白い?」


後ろから声がした。

!?

目を開けて、振り返ると

やけにきらびやかな服…ミラーボールや熱帯魚でもまとっているかの様な服を着た全く誰だかわからない男の人が立っていた。



「だれ…?」

私は、目を丸くしながらその人を見る。

「初めてまして。あすみちゃん。」

「えっ!?」


「何で、名前知ってるの?って?」


その人は、私の疑問をそのまま口にした。