靴投げ競争…


そういえば、昔
千紗と良くやってたよね。


どっちが遠くまで投げれるかって。


今、思えば下らないかもしれないけど

この頃は、本気で楽しかった。


楽しかった大きな理由は、

多分、コレでしか千紗には勝てなかったから。


勉強もスポーツも
千紗のが出来ていた。


そんな千紗と仲がいいのは、
嫌なわけではなかったけれど

幼いながらに、劣等感はあった。


けれど、千紗はいつも優しい。


そんな千紗の事が私は、大好きだった。

今も、変わらず…。


「次は、絶対に負けないから!」


そう言いながら千紗がブランコに腰かける。

「う…うん…」


私もブランコに座る。

「じゃあ、行くよ~!」

千紗が、勢いよくブランコを漕ぎ始める。