千紗が隣でブランコに乗っている。

だけど、 高校三年生の千紗じゃない。

…多分…小学校3、4年生ぐらい…?


「千紗?何で子供なの?」

「なに、おかしな事を言ってるの?
自分だって子供じゃない。」

「えっ?」


言われて、自分の姿を確認する。

…た、確かに子供になってる…?


今、着ているワンピース。
昔、相当気に入っていて2日に一回は着ていた。


「ねぇ、鏡ない!?」

「なによ、いきなり。

鏡なら、自分の鞄に入ってるじゃない。
私とお揃いのうさぎちゃんの鏡。」

「そう…だっけ…?」

「さっき、アソコに置いたじゃない。」

千紗は、木の木陰になってるベンチを指差す。


そのベンチの上には 同じ黄色の鞄がふたつ並んでいた。