ちっとも気づかなかった。

隣に誰かがいる事も
こんなに、高く漕いでいる事も。


私の横を通り過ぎる一瞬

顔を見ようとしても
速すぎて見れない。

だけど、

「キャハハ。」


と、楽しそうな笑い声が聞こえた。


…子供の笑い声…?


「あすみ~、早く漕げよ~。いつまで経っても終わらないぞ。」


「あっ、うん…」


リーバに急かされ、私はブランコを漕ぎ始める。


でも、なかなか上がらない。


「あすみ~、やる気あんのかよ~。」

リーバにため息をつかれるけど

「やってるけどこれ以上、上がらないの!」


「んなわけねぇだろ。気合いが足りないんだよ!気合いが!」

「はぁ!?」