ゆっくりとブランコが動き始めた。


…動いては、いるけど
いつまで経っても
低い位置をゆっくり回っているだけで

高い位置になったり、速くなったりはしない。


「なに、コレ?
壊れてるんじゃないの?
ねぇ、リーバ?」


頭に乗っかってるリーバに話しかけると

「壊れてねぇよ。
コレは、あすみが自分で漕ぐんだよ。 」

「はっ!?」

「原動力は、あすみの心のエネルギー。 して、お隣さんより、高い位置まで行かないと降りれないから。」

「はい!?
お隣さんって…」


言われて、私は横を見る。

すると、さっきまでいなかった…と思うブランコに

誰かが乗っていて、やたら高い所まで漕いでいる。



…いつの間に?