「アレに乗る。」

私は、空中ブランコの入口へ向かって歩く。


「そういえば、ねぇリーバ。

乗り物のチケットなんかは、どうするの?」

ふと気付く。

買わなくちゃダメなんじゃ?

と。


「俺がチケット代わりだ。」

「え?」

「入場チケットだって出さなかっただろ。」

「そういえば、そうだよね。」



空中ブランコの入口を抜けて

色とりどりなブランコがズラリと並ぶ中

自分の好きな黄色のブランコに腰かける。


「じゃあ、あすみ。
頑張れよ。」

「は?何を頑張るの?
そういえば、さっきも頑張れとか言ってたよね?

それってどういう意味なの?」

リーバは、何も答えずに
ニコニコ笑っているだけ。

「ねぇ、リー…」

言いかけると


ピッィィーー


発進音がなる。


リーバは、そっと私の頭の上に乗っかった。