笹原一家も変な奴で統一されている。

燕の家族はまともだが、燕は変な奴だ。

「俺達の存在を知っているお前は何者なんだ?」

「丞、こいつは改革派アル」

一見、女の方がヤワさを感じたが、勘違いだったようだ。

簡単に正体を見破るなんて、腐っても純血か。

面倒な相手は女だ。

コートの男は興味深い顔で見始めた。

「制服を着てるってことは、湊先生に会うのか」

「秋野の事まで知ってるなんてな。本当に面倒くせえ奴だ」

「面倒臭さで言うならお前もじゃないか。人間世界を潰すつもりでいるんだろ?」

男とは敵対する事になりそうだ。

混血故に人間側についたか。

所詮、混血の考えなど、その程度でしかない。

「人間のせいで世界が歪んだんだ。途中で発展を止めていれば、面倒なことは起こらなかったんだよ」

今も平気な顔で侵食を行っている。

「良い方向に進んでいるとは考えないわけか?」

「面倒臭い冗談は止せよ。腹を抱えるほど笑ってしまう」

今、邪魔になろうとするコートの男を始末してもいいだろう。

男を生かしておけば、後々厄介になる。

計画の支障になるというのであれば、やったほうがいい。

組織のためだ。

「おー、アドレナリンビンビンアルね」

「血の気が多い奴だな」